さいたま市大宮盆栽美術館は、関東大震災や都市化の影響で衰退した盆栽村100周年を記念する特別展を開催。幕末三舟「幕末三舟」のひとり、山岡鉄舟が書いたとされる店看板や推定樹齢1千年超のエゾ松「轟」が飾られるなど、見どころ満載だ。
特別展「緑のフロンティア―大宮盆栽村100年」は12月10日まで開催。開村当時の地図や写真、盆栽作りの技術を伝える貴重な資料が展示されている。清水利太郎氏が営む「清大園」に移る前に東京・千駄木で掲げていたとされる店看板が初披露されている。
店看板は幅217センチ、高さ60センチ、厚み3センチで堂々たる看板は店の規模や威厳をうかがえるとしており、同館主査の菅原千華さんは「店看板は利太郎氏の父と親交があったとされる山岡鉄舟が書いたとされ、存在は雑誌で紹介されたことはあったが、どこにあるか不明だった。100周年を迎えるにあたり、ご子息が秩父の倉庫に保管していたことが判明し寄贈してもらった」。
また、盆栽村の各盆栽園が手掛けた名品もコレクションギャラリーで鑑賞できる。10月22日までは、開村当時から現在まで営業を続ける唯一の盆栽園「蔓青園」の作品が楽しめたが、毎週金~水曜日の週替わりで、8盆栽園の盆栽が展示される。
例えば31日~11月5日の「清香園」は、竹や石付き、五葉松の盆栽を得意として、江戸前の粋な仕立てを披露した歴史を持つ。現在は、花や草、化粧鉢を用いて身近に親しめる「彩花盆栽」を生み出しており、これらが楽しめる内容となっている。
このほか、盆栽庭園では、昭和初期に国後島の古釜布で自生していたエゾ松を鉢上げした「轟」が常設展示。また、推定樹齢1千年超ともされる盆栽で、「エゾ松の全国的な流行を牽引した大宮盆栽村の名品」(同館主任の立石見雪さん)という。また、推定樹齢160年の盆栽「欅」は吉田茂元首相が所蔵していた作品で「11月以降、紅葉も楽しめる」(同)と話していた。
しかし、盆栽村には衰退した歴史も持つ。関東大震災の影響のみならず、都市化、工業化で大気汚染、土地の確保が難しくなったことで盆栽を営む職人が移住した経緯を持つ。その後、第2次世界大戦で「盆栽はぜいたく品。食料品を植えろ」との指令が下り、園の数が激減。その後、別荘地として盆栽村を抑えた米軍将校が良さを広めたことで息を吹き返したという。しかし、1980年代に住宅街として盆栽村が利用されるようになったうえ、現在では後継者不足が深刻にもなっている。
このようにして、100周年でなんとか盆栽を盛り上げたいと意気込む「大宮盆栽村かるた」(2千円)の販売もその一環で、「ふ」は「芙蓉園 四季折々の 別世界」などと書かれており、読み札の裏には同園の歴史も記載されている。
特別展「緑のフロンティア―大宮盆栽村100年」は12月10日まで開催。開村当時の地図や写真、盆栽作りの技術を伝える貴重な資料が展示されている。清水利太郎氏が営む「清大園」に移る前に東京・千駄木で掲げていたとされる店看板が初披露されている。
店看板は幅217センチ、高さ60センチ、厚み3センチで堂々たる看板は店の規模や威厳をうかがえるとしており、同館主査の菅原千華さんは「店看板は利太郎氏の父と親交があったとされる山岡鉄舟が書いたとされ、存在は雑誌で紹介されたことはあったが、どこにあるか不明だった。100周年を迎えるにあたり、ご子息が秩父の倉庫に保管していたことが判明し寄贈してもらった」。
また、盆栽村の各盆栽園が手掛けた名品もコレクションギャラリーで鑑賞できる。10月22日までは、開村当時から現在まで営業を続ける唯一の盆栽園「蔓青園」の作品が楽しめたが、毎週金~水曜日の週替わりで、8盆栽園の盆栽が展示される。
例えば31日~11月5日の「清香園」は、竹や石付き、五葉松の盆栽を得意として、江戸前の粋な仕立てを披露した歴史を持つ。現在は、花や草、化粧鉢を用いて身近に親しめる「彩花盆栽」を生み出しており、これらが楽しめる内容となっている。
このほか、盆栽庭園では、昭和初期に国後島の古釜布で自生していたエゾ松を鉢上げした「轟」が常設展示。また、推定樹齢1千年超ともされる盆栽で、「エゾ松の全国的な流行を牽引した大宮盆栽村の名品」(同館主任の立石見雪さん)という。また、推定樹齢160年の盆栽「欅」は吉田茂元首相が所蔵していた作品で「11月以降、紅葉も楽しめる」(同)と話していた。
しかし、盆栽村には衰退した歴史も持つ。関東大震災の影響のみならず、都市化、工業化で大気汚染、土地の確保が難しくなったことで盆栽を営む職人が移住した経緯を持つ。その後、第2次世界大戦で「盆栽はぜいたく品。食料品を植えろ」との指令が下り、園の数が激減。その後、別荘地として盆栽村を抑えた米軍将校が良さを広めたことで息を吹き返したという。しかし、1980年代に住宅街として盆栽村が利用されるようになったうえ、現在では後継者不足が深刻にもなっている。
このようにして、100周年でなんとか盆栽を盛り上げたいと意気込む「大宮盆栽村かるた」(2千円)の販売もその一環で、「ふ」は「芙蓉園 四季折々の 別世界」などと書かれており、読み札の裏には同園の歴史も記載されている。