令和5年、神戸市の草むらでスーツケースに入れられた6歳の男児「穂坂修ちゃん」の遺体が見つかった事件は今、神戸地裁で裁判が行われている。事件を巡っては、母親を含む親族が関与する異常性に加え、虐待の可能性を把握しながら一時保護の対応を見送った行政の対応も問題視された。
19日の初公判で、保育園の保育士の陳述書が読み上げられた。母親の沙喜被告は時折涙を浮かべていたと言われた。最初に保育士が修ちゃんの異変に気づいたのは5年4月20日で約3週間ぶりに登園した修ちゃんの尻などにあざがあるのを見つけた。しかし、保育園が西区役所に通報したのは3日後の同24日だった。
異変はその後も続く。「おなか空いた。家に誰もいない」。5月1日、自宅2階の窓から泣いている修ちゃんを保育士が見かけた。保育士から連絡を受けた区は、児童相談所に「一時保護の可能性がある」との趣旨の連絡を入れた。
翌日以降も、区や児相が家庭に断続的にアプローチしたが今度は祖母に「母(沙喜被告)と相談中だ」「また電話する」などと告げられた。同18日、児相は対応を終結。その後も区職員が祖母と面会する機会はあったが修ちゃんや沙喜被告とは連絡が取れなかった。
6月22日、スーツケースに入れられた修ちゃんが変わり果てた状態で見つかった。背中一面には打撲痕があった。神戸地検は6年4月、修ちゃんの背中を鉄パイプで殴ったり踏みつけたりしたなどとする傷害致死と死体遺棄の罪で、大地被告(34)や沙喜被告ら、きょうだい4人を起訴した。
市設置の第三者委員会が問題視したのは初動対応の甘さだった。「迅速な通告ルールが順守されていなかった」(第三者委)。一時保護が望まれる期間は4回あった。しかし、関係職員が懸念を抱いても部署内外で議論されることがなかった。区と児相の組織間のコミュニケーションが円滑であれば「生命が失われるという重大事態が防げた可能性がある」とした。
また、大地被告が、児童福祉司や区職員を修ちゃんから遠ざけようとする言動や行為がみられた点については「児相が警察連携を具体化し、一時保護に向けて具体的に動くべきであった」などと指弾した。
事件を教訓に、兵庫県所管の児相は受理した虐待相談を兵庫県警と即時共有するシステムを導入するなどした。公判を巡っては、大地被告に逆らえない環境下で犯行を回避できる「期待可能性」が3姉妹にあったかなどが争点だ。
検察側の冒頭陳述によると、令和4年12月に姉妹と同居を始めた大地被告が修ちゃんから「にいに、嫌い」と言われたことで、虐待が始まった。手段は次第にエスカレートし、同時に知的障害などがあった3姉妹に「俺は神になる」「警察のトップだ」などと暗示をかけて、修ちゃんへの暴行を指示するようになったとされる。
19日の初公判で、保育園の保育士の陳述書が読み上げられた。母親の沙喜被告は時折涙を浮かべていたと言われた。最初に保育士が修ちゃんの異変に気づいたのは5年4月20日で約3週間ぶりに登園した修ちゃんの尻などにあざがあるのを見つけた。しかし、保育園が西区役所に通報したのは3日後の同24日だった。
異変はその後も続く。「おなか空いた。家に誰もいない」。5月1日、自宅2階の窓から泣いている修ちゃんを保育士が見かけた。保育士から連絡を受けた区は、児童相談所に「一時保護の可能性がある」との趣旨の連絡を入れた。
翌日以降も、区や児相が家庭に断続的にアプローチしたが今度は祖母に「母(沙喜被告)と相談中だ」「また電話する」などと告げられた。同18日、児相は対応を終結。その後も区職員が祖母と面会する機会はあったが修ちゃんや沙喜被告とは連絡が取れなかった。
6月22日、スーツケースに入れられた修ちゃんが変わり果てた状態で見つかった。背中一面には打撲痕があった。神戸地検は6年4月、修ちゃんの背中を鉄パイプで殴ったり踏みつけたりしたなどとする傷害致死と死体遺棄の罪で、大地被告(34)や沙喜被告ら、きょうだい4人を起訴した。
市設置の第三者委員会が問題視したのは初動対応の甘さだった。「迅速な通告ルールが順守されていなかった」(第三者委)。一時保護が望まれる期間は4回あった。しかし、関係職員が懸念を抱いても部署内外で議論されることがなかった。区と児相の組織間のコミュニケーションが円滑であれば「生命が失われるという重大事態が防げた可能性がある」とした。
また、大地被告が、児童福祉司や区職員を修ちゃんから遠ざけようとする言動や行為がみられた点については「児相が警察連携を具体化し、一時保護に向けて具体的に動くべきであった」などと指弾した。
事件を教訓に、兵庫県所管の児相は受理した虐待相談を兵庫県警と即時共有するシステムを導入するなどした。公判を巡っては、大地被告に逆らえない環境下で犯行を回避できる「期待可能性」が3姉妹にあったかなどが争点だ。
検察側の冒頭陳述によると、令和4年12月に姉妹と同居を始めた大地被告が修ちゃんから「にいに、嫌い」と言われたことで、虐待が始まった。手段は次第にエスカレートし、同時に知的障害などがあった3姉妹に「俺は神になる」「警察のトップだ」などと暗示をかけて、修ちゃんへの暴行を指示するようになったとされる。